馬を見ない馬券師・豪徳寺の玄三さん
作家の岩川隆 氏の著書『馬券人間学』に、馬を見ない馬券師・豪徳寺の玄三さんという方の話が登場する。
著者の岩川隆が豪徳寺の玄三さんと出会ったのは昭和42年の秋頃。
いつも中山競馬場のパドックそばの階段にいて、当時で60歳前後の男性。
パドックというと馬を見る場所だが、その方が見ていたのはトータライザー。
現在のようにオッズが表示されるのではなく、勝馬投票の票数がそのまま表示され数分ごとに変化するもの。
締切り直前まで数字を観察、時折手帳に数字を書いて何か計算。そして発売窓口に行って馬券を買う。
3点買いの時もあれば、7点買いの時もあり、つねにそれらの馬券のいずれか1つは的中。
人気の組合せによる独特の馬券購入方式でレースを買えば買うほど黒字になりかなりの貯金を残した方だという。
この小説に、どんな計算方法で馬券を買っていたかは記載は無いのですが、ちょっとヒントになるような事とかメンタル面的な事は書いてあった。
・出現率と配当の関係を調べると1年間を通して黒字になる組合せが存在する。
・全レースに渡って馬券を買い続ける。
・配当が千円〜二千円になる馬券を買ってゆかないと黒字にならない。もう少し広げるなら千円〜三千円になる配当になる勝馬投票券を買い続ける。そうすれば的中率は低くなるが、年間通じて黒字になる。
・午前に千円以上の配当のレースが続出すれば、午後は千円以下の結果が出る確率が高い。
・へたな野心さえおこさなければ、きまって収入は入ってくる。
・馬券に夢は禁物。夢を買うなんて言ってるから、損ばかり繰り返す。
これだけでは玄三氏の馬券術に近づくのは難しそうだ。